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 教育コラム 2007. 12 クリスマス・スペシャル
 
 「わかる」と「ありがとう」
 
 appreciateという英語があります。日常的によく使います。
 この言葉は、「理解する」を意味しますが、同時に「感謝する」も意味しています。
 
 たとえば、I quite appreciate it. といえば、(きみにいわれなくても)「自分でもよくわかってるよ」を意味します。
 しかし、まぎらわしいことに、I really appreciate it. といえば、「ほんとうにありがとう」を意味します。
 
 どうして、「理解」(わかる)と「感謝」(ありがとうと思う)が結びつくのか、不思議に思う人がいるかもしれません。
 しかし、わかることと、ありがとうと思うことは、案外、わかちがたいのです。
 
   たとえば、人は、だれかに自分の気持ちをわかってもらえると、うれしくなります。
  
   大切な人に自分の気持ちをわかってもらえるなら、なんだか力がわいてきます。
 
     また、たとえば、音楽に、喜びであれ、つらさであれ、自分の言葉にならない想いが表現されているときも、うれしくなります。
 そんな音楽は「お気に入りの曲」(マイ・テーマソング?)になります。
     
     心理学者で教育学者の佐伯胖さんは、appreciateという言葉にふれながら、「わかる」という営みは、「その人の、ほかの人の「わかり」への呼びかけであり、贈り物である」と書いています(『「学ぶ」ということの意味』 1995)。
 ようするに、だれかの気持ちを理解することは、その人の心を開くプレゼントなのだ、と。
 たしかに、私たちは、自分をわかってくれる人に、心を開きます。いいかえるなら、人に理解されることによって、勇気づけられます。 子どもたちは、きっと大人以上に勇気づけられるでしょう。子どもたちは、大人が考える以上に不安な思いで、日々がんばっているのですから。
     
  (校長 田中智志)
 
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